歯と全身の健康

様々な要因とリスク

歯と全身の健康お口をきれいに維持する習慣のある人と維持する習慣のない人の肺炎(細菌性肺炎・嚥下性肺炎・市中肺炎)のリスク

定期的な口腔内清掃を受けていた人の肺炎による死亡者数 >>>15%
定期的な口腔内清掃を受けていない人の肺炎による死亡者数>>>33%
歯周ポケットに入り込んだ歯周病菌に反応したサイトカイン(細胞間を行き来する伝達物質)が唾液や器官を通じて肺に吸引されると炎症反応がおきます。
これによって感染を誘発あるいは進行させる働きを始めるといわれています。

歯周病に罹患している人としていない人の心臓病発症リスク

喫煙や生活習慣病に由来する肥満・高血圧が原因とされる心疾患ですが、
最近の研究では歯周病罹患者の心臓発作発症の確率が2倍であるという研究結果がでています。歯周病は歯周組織だけでなく歯ぐきから血液中に侵入し、
感染に弱い心臓や他の臓器を冒し、新たな感染を引き起こす原因となることがわかってきました。

歯周病と糖尿病の因果関係

歯周病が糖尿病による合併症か、はたまた歯周病にかかると糖尿病が悪化するのか、その因果関係は科学的に解明されてはいません。
しかし、相互に何らかの悪影響を及ぼしていることが研究結果からわかってきました。もともと肥満体質の人の内臓脂肪の中には炎症を促進する物質が含まれており、歯周病菌に感染すると、さらに炎症が悪化してしまうのです。

歯周病と皮膚科の病気

「皮膚科を受診したのに虫歯による細菌感染が原因といわれてビックリ!」という患者さんが少なくありません。原因不明の発疹や皮膚の赤み、白っぽい腫れ、痛みが長く続くようなら、お口の病気が原因であることがあります。歯の根の先は血管や神経があり、全身とつながっています。そこに膿がたまったり細菌感染すると、いいものだけでなく、悪いものも全身へ運ばれてしまいますので、注意が必要です。

歯周病と早産・低体重児出産のリスク

妊娠中は、つわりや情緒が不安定になったりすることで、お口の中のお手入れがいつもよりおろそかになってしまうことがあります。歯周病菌の中には、女性ホルモンを好んで栄養源とするものもあり、抵抗力が弱まっているので、妊娠中は歯周疾患が進行しやすい時期といえるでしょう。最近の研究では、妊婦さんが歯周病に感染すると、炎症を促進するサイトカインという伝達物質の血中濃度が高まり、脳が認識を誤って子宮筋を収縮させる働きをしてしまう–つまり早産につながると考えられています。南米で行われた臨床検査では、歯周病治療をした妊婦さんとそうでない妊婦さんでは早産・低体重児の発現率が5分の一に減ったという報告があり、妊娠後でも積極的に治療を受けることがある程度のリスクを軽減させるのに有効であると考えられています。

歯の病気と認知症

衣・食・住のうち「食べる」という行為は、人生の喜びの大きな部分を占めます。単に栄養をとりこむだけでなく、生き生きとした活力や楽しみ、生きがいにもつながります。認知症の進行防止・改善には、手指の運動や、噛む行為による食生活の改善、食事を通じて好奇心を働かせ、脳を刺激し血流を促進、脳の活性化を図ることが重要です。しっかり噛めるようにお口の中の環境を整えて、長く健康に楽しんで過ごせるように心がけましょう。

歯周病と脳梗塞

歯周病によって歯を失った人とそうでない人の、脳梗塞にかかる割合を比較研究した報告があります。残存歯の数が少ない人には次のような共通項–高齢者が多い、運動量が少ない、飲酒・喫煙率が高い–があり、脳梗塞を発症しやすい人が多いことがわかりました。相関関係の根拠はまだ報告されていませんが、慢性的に歯周病の炎症が起こっていると、炎症物質が血液中に沈着し、動脈硬化を促進させ、脳梗塞や心筋梗塞を発症させると考えられています。

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