PMTC・歯磨き指導

PMTCってなに?

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略:歯磨きのプロ()が行う器具・機械()を使った歯()のクリーニング()のことです)とは、歯や歯肉の表面の汚れを、特殊な医療機器を使用し専門的なクリーニングをすることですpmtc慎重かつ丁寧に器具を使い汚れを取り除いていきますが、歯の表面がざらついたり、でこぼこした歯面にならないように汚れを取った後に歯面を滑沢に整え、細菌塊の再付着を防ぐ為のフッ素塗布を行います。
一度受けると、バイ菌とともに汚れがきれいにおちるので歯が白く明るくなりますので、ホワイトニング感覚で利用する方も最近では増えてきています。

むし歯や歯周病の予防・管理のためにシステム化(1971年)されたPMTCは、その優れた効能から北欧をはじめ広く世界中に普及され、現在もなお臨床研究が進めれられています。

歯垢や歯石はもちろん、自分ではなかなかとれない茶シブやヤニ、苦手なところの磨き残しをきれいにし、日常的な歯磨きで傷んだ歯の表面を修復サポートするクリーニングは定期的に行うことで、お口の健康に対するモチベーション(予防やケアが大切であるという意識)維持にもつながります。定期的といってもリスク検査による診断で患者さん各々の最適な周期はそれぞれ異なります

むし歯菌や歯周病菌がすみついている歯垢は、表面がツルツルのところにはつきにくく、ザラザラしたところにくっつきます。細菌は目に見えないくらい小さいので、私たちが「充分きれいになったな」と感じる自己流の歯みがきをしても、細菌にとっては住みやすい場所がまだまだたくさん残っているのです。

こうした、歯の表面のザラザラや磨き残しの歯垢を特殊な専用の器械で取って、さらに再石灰化を促すようにツルツル、ピカピカにします。歯と歯ぐきの境目もきれいに洗い上げますから、歯周病菌が住みにくい環境になります。

平均的には3~6ヶ月に1回、プロのクリーニングケア=PMTCを受けて歯をきれいにして、次にクリーニングケアを受けるまでの間は、自宅で正しい歯みがきをしてその状態をできるだけキープしてください。

歯科医院は、歯が痛くなってからむし歯治療を受けたり、歯がグラグラになってから歯周病の治療を受ける場所ではなく、むし歯にならないように、歯周病にならないように通う場所になってほしいと願っています。

きちんと予防すれば、一生自分の歯で過ごすことができます。
ブリッジや入れ歯などの不自由さは、それを使った人にしか分からないかもしれませんが、できる限り一生自分の歯で食べられる快適な人生を多くの人が送れるように、日々進化する歯科医療とともにわれわれ医療従事者も技術をテクニカルはもちろん、メンタルな面も含めて患者さんをサポートできるよう研鑽努力を惜しまぬようにありたい、という思いを心に持っています。

ちなみに、実際PMTCで痛みを感じるとおっしゃる方は私が知る限りほとんどいません。
気持ちよくて、うとうとしてしまう方(や完全に熟睡される方)はたくさんいらっしゃいますが…。これも一つの別の効能(?)かどうかわかりませんが、気持ちよくリラックスして処置が受けられるのは、予防の維持管理において定期性が重要であることを考えますと大変良いことであると思っています。
誰でも気持ちの良くないことや、痛みのあることは続けようと思わないですから。

歯みがき指導

当院では歯みがき指導にも力を入れています。予防の主幹は毎日の歯磨きといっても過言ではありません。
「歯磨き歯磨きって、毎日ちゃんと磨いているのに、何が違うんだろう??」「歯を磨いても歯の質が悪ければむし歯や歯周病になるんでしょ?」「歯が痛い時は磨けないし、第一何も痛くなければ特に歯磨きって意識したことがないなぁ・・・」
様々な声を患者さんから耳にします。

でも、ちゃんとした歯みがき習慣ができていたら、歯科医院に来ていないはずですよね。誰でもむし歯になるのが当たり前なのではなく、歯みがきをしているようで、実はちゃんと磨けていなかった――ほとんどの歯が長い間磨かないまま汚れ放題で放置されていた、というのが実態です。

むし歯も歯周病も、原因となる細菌が口の中に住みついているから起こります。歯みがきの目的は、むし歯や歯周病の原因菌を落とすことです。(決して、歯磨き粉をたくさんつけて、口の中をアワアワにしてすっきりさせることが目的ではありません)

むし歯の原因菌は空気を好みます。だから、歯の表面にくっつきます。ツルツルしたところにはくっつきにくいので、歯の表面のザラザラしたところや、むし歯治療をした詰め物やかぶせ物の段差のところ、歯と歯が重なっているところなど、私たちにとっては歯ブラシを当てにくい厄介なところ、に固まってくっつきます。(これを歯垢=プラークと言います。)

一方、歯周病の原因菌は空気を嫌います。(嫌気性といいます。)だから、空気の届きにくい歯と歯ぐきの境目に入り込んで、これもまた厄介なことにより空気の届かない奥へ奥へと入っていきます。その奥には歯を支える骨はもちろん、歯を健康に保つ重要な役割を持つ歯周組織がたくさんあり、それらが危険に冒されることになります。

hamigakinoshikata-gazouこういった習性をもつむし歯菌や歯周病菌のかたまり、歯垢を落とすのが歯みがきの目的ですから、①歯ブラシの選び方(どんな歯ブラシが落としたい汚れに効果的か)や②磨き方(どんな磨き方(歯ブラシの当て方)で、どこ(汚れのある場所を知る)を磨くのが落としたい汚れに効果的か)の2つが大きなポイントです。

  1. 歯ブラシのヘッドの大きさ
    歯ブラシのヘッド(歯ブラシの毛がついている先端の部分)は、大きなものよりも小型なものを選んでください。歯と歯が重なっているところや歯と歯ぐきの境目という、狭くて小さいところを磨くわけですから、ヘッドは小さい方が細菌を落としやすいのです。大きいほうが簡単に広範囲を磨ける感じがするという方がいますが、何度も繰り返しますように、「磨いている」、と「磨けている」のは違うのです。
  2. 歯ブラシの毛の硬さ
    歯ブラシの毛の硬さは、普通の硬さのナイロン毛が最適です。3列がベスト。硬い毛は、ちょっと力を入れすぎてしまうと、歯や歯ぐきを傷つけることがある上細かいところまで届きにくくなります。硬めの歯ブラシのほうが使用するにあたり実際は難易度が高くなります。歯ぐきの炎症が著しい場合には、やわらかめの歯ブラシを使って、炎症が治まってきたらやわらか目か普通の硬さの歯ブラシに代えてください。また、歯ブラシの背中から見て毛が両サイドに大きく開いているようなら寿命です。それ以上使用しても目的を果たすことができません(なぜなら、上記ポイントの②汚れを落としたい場所に当たらないからです)ので、新しいものに替えましょう。
  3. 歯ブラシの握り方
    歯ブラシを、力を入れてしっかり持ってしまうと、奥歯の奥まできれいに磨けません。また、強い力でゴシゴシと磨いてしまうと、よく磨けているよな気分になりますが、実際毛先が広がって十分汚れに当たっていないので歯垢をとることができません。また、強く磨いて歯ぐきや歯の根を傷つけてしまうと、そこから歯周病にもなってしまうこともあります。歯ブラシは、軽く鉛筆を握るようにゆったりと優しく持ってください。ゴリゴリ磨かないと気がすまないという方は忙しいビジネスマンの方や働きざかりの方を中心に結構多いのですが、「力」という意味では「力を入れすぎないように抑える力」がむしろ必要かもしれませんね。
  4. 鏡を見ながら磨く
    鏡を見て、今自分がどの歯をどんな風に磨いているか、じっくり見ながら歯を磨いたことがありますか?これからは毎日、大きな口を開けて、自分の歯を見ながら歯を磨いてみてください。よく見ると歯は平らな板ではなく、微妙なカーブがあったり、重なっているところがあったり、大きさが違ったりして、ほんとうに個性的です。まったく見えない場所もあるでしょう。前歯に比べて奥歯のこの辺りは磨きにくいな、唇が邪魔だな、利き手側が磨きずらいな、・・そういった新しい感想を持つかもしれません。そこがあなたの歯垢がたまりやすい場所です。自分の歯並びの特徴を知ることも歯ブラシが上手になることために大切なことです。
  5. 小刻みに磨く
    あなたがブラシを動かす距離は、どれくらいでしょうか?5mmから1cmくらいの細かい横動きで歯を磨いてください。早く磨き上げようとして大きく動かすと、歯と歯の間にひそむ肝心の歯垢が取れていないので無駄に終わってしまいます。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目のほんのわずかな溝、こういったところを重点的に、歯ブラシを細かく細かく動かして、歯垢を取り除いてください。細かくうごかせるようになるとマッサージ効果によるさっぱり感も味わえ、力を入れすぎてないかどうかのバロメーターにもなりますね

当院では、定期検診のときにも歯みがき指導(再チェック)を行っています
歯の磨き方も日進月歩で、20年前と今とでは、推奨されている磨き方がまったく違います。
あなたの今の磨き方が本当に正しいかどうか、一度確認してみてください。

定期検診を利用し、自宅で正しい歯みがき習慣ができれば、むし歯や歯周病になる可能性がぐっと低くなります。

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