フランス研修

2009-02-23

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 2008年10月7日、私のインプラント治療の師でもあり、尊敬する古賀剛人先生と新しい治療を取り入れようと意欲のある優秀な先生5名ほどで、ヨーロッパのインプラント界で最も権威のある学会の会長でもあったフランクレノア先生のクリニック(パリ)に研修に赴きました。

ヨーロッパ・アメリカなど欧米諸国の診療スタイルは、日本のように一人の歯科医師が、外科から歯内療法、歯周病、保存、補綴まで、一人で行うのではなく、それぞれが専門医で、口腔外科なら口腔外科、補綴なら補綴というように各スペシャリストが担当し完全に分業化されています。レノア先生も、専門はもちろんインプラント治療なのですが、インプラントの上部構造(かぶせもの)は他院で行うということでした。これには私も多少驚きましたが、それだけ専門職であること、役割分担が明確であることを感じました。 seminar room

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 個々のオフィスが分業化していることより私が驚いたのは、クリニックの中の役割分担がそれ以上にはっきりしており、スタッフ一人一人が高い専門技術・知識を持ち非常にプロフェッショナルであることでした。ちょうど、丸1日、4名の患者さんのオペに立ち会わせて頂いたのですが、その際レノア先生は常に何度も何度も頭の中でオペのシュミレーションをひたすら続けていらっしゃいました。レノア先生はとても日本びいきのようで、インプラント手術を居あい抜き(サムライ)の精神統一に例えて表現されていました。そしてオペは始まるととてもスムーズに、非常にシンプルに、完璧に進行していきました。

フランスではドクターは、オペだけに集中しているとのことで、クリニックの運営他もろもろのことは何も知らないとのことでした。当たり前のことかもしれませんが、本来、医療の本質において、日本でもそうあるべきと痛切に感じていましたが、残念ながらなかなかそうもいかない現状であることも事実です。 2008_10172008france0061x-raymini

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 変なところで凝り性な私は、どのようにしたら私のクリニックにおいてもこのようなシステムを取り入れられるであろうか、ずっと考えておりました。日本に帰る飛行機の中で、帰国したその日より診療が始まるのですが、歯科材料業者との取引、技工所さんとの取引、スタッフの教育、地域の活動・・・いろいろと考える自分がいました。ふと、自分はドクターなのか、はたまたいったい何者なのかなどと考えていると頭が痛くなりましたが、良いところは積極的に取り入れていき、より良い診療室になるようできる限りベストを尽くしていきたいと日々切磋琢磨しています。

人は歩みを止めたら老いていくといいます。正直、時々止まりそうになることもありますが、ネバーギブアップの精神で、歯科医師として、私が歯科医師になるときに目指していた歯科医像に一歩一歩近付けるよう、心と体を鍛錬し、勉強し、患者さんのために貢献していきたいと思いながら帰路につきました。蛇足ですが、いずれは日本でもそのような、治療のみにドクターが集中できるようなシステムが構築できるような時代がくることを願っています。

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